第7回
2010.03.15 | 11:45

- 北川 邦弘 さん
- ファイナンシャルプランナー
- メールマガジン
「100万人のビジネス・コーチング」
第20号掲載
今日ご紹介するのは・・・
あるときはファイナンシャルプランナー、
あるときは海の男、
そしてあるときは加圧トレーナー・・・
「人生の戦略コーチ」をご紹介致します!
今回もたっぷりのインタビュー、どうぞお楽しみください!
北川さんの一言
Charity begins at home(慈善は家庭から)
聞き手: 城田(fRee sTyle)
(以下会話中、敬称を省略します)
- 城田
- 今、北川さんがコーチングを活用している状況についてお聞きしたいのですが。
- 北川
- もともと、ファイナンシャルプランニングのお客さまに対して、これを使っていこうと思って、やっていた訳だけどコーチングの授業を受けている1年間の間に、加圧トレーナーの仕事もやることになって(笑)。
だから、まあ、いつどこで? というとファイナンシャルプランニングのお客様に、相談のときにということと、あとは、トレーニングのときに、トレーニングの生徒さんに。大きく言えばふたつのところでやっているんですよね。 - 城田
- 相手はお客様ですね。
- 北川
- うん。両方ともお客様。
僕の仕事は常に一対一なので、そういう意味ではありとあらゆる場所で、それの連続なんですけど、大きいふたつはそれですね。トレーナーとして、というのと、FPとしてというのと。 - 城田
- 大きいふたつはそれで、そのほかに小さなところで活用しているようなことは何かあります?
- 北川
- あ、もうそれは、ありとあらゆる・・・タクシー乗ったときの運転手さんとの会話から、友達との会話から、飲みに行ったときの若いお姉さんとの会話から(笑)
- 城田
- なるほど(笑)
- 北川
- あらゆる場所で使っていると思いますね。
- 城田
- そうですか。では日々結構使ってますね。
- 北川
- 使ってますねぇ・・・すごい、強力なツールだと思います。
一番簡単に使うのが、マッチングとミスマッチングですね。 - 城田
- あ~、そうですか。
- 北川
- 特にミスマッチングね。
急いでいるときとか、この人とあまり関わりたくない、とか(笑)、そういうときに、ミスマッチングを作っていくと、短時間に、終わることができるし。 - 城田
- しかも、エレガントにね
- 北川
- あまりしゃべらないで済むしね
- 城田
- 便利ですよねぇ。
- 北川
- 以前は、知らずにミスマッチングを起こして、自信喪失していたのが、今は自分から選択して「あ、今はミスマッチングを起こそう」とか(笑)。ミスマッチボタンを押して、いやなコミュニケーションから解放される、というか。
- 城田
- う~ん、意図的にね。
- 北川
- それで全然相手に不快な気持ちを与えないからね。
- 城田
- あれ、不思議ですよね。
- 北川
- 始終使ってます(笑)
- 城田
- 北川さんは、お仕事の場でもそのほかちょっとしたときにでも、コーチングスキルを使っているんですね。
- 北川
- ああ、僕ね、職場とか、仕事とか、あんまり境がないんですね、全然。
- 城田
- へええ。仕事と日常との境がないんですね。
- 北川
- 全然ないんですね。
- 城田
- いいですね。そういうの。
私も好きです。目指してます(笑) - 北川
- そう、裏表のない。
- 城田
- そうなんですよ。
シームレスでいいじゃないですか。 - 北川
- シームレスね。
シームレスってかっこいいね。 - 城田
- そのシームレスな日々の中で、コーチングを使っているんですよねぇ。
でも以前は使えなかったでしょう?
北川さん、いつからコーチングを学び始めたんですか? - 北川
- 一昨年・・・
2008年の春から・・・2009年の秋まで。約1年半だね。18ヶ月だね。
田近さん(北川さんと城田のコーチングの師)の顔を見続けたのが。 - 城田
- 集中して1年半ですか。
その1年半前と比べて、なにか感じることってありますか? - 北川
- う~ん・・・
これは難しい質問なんだけど・・・ま、自分の感情がどうして起こっているのかが、わかるようになった・・・ということかな。 - 城田
- 自分の感情が?
- 北川
- 自分の感情が起こるとき、落ち込むとき、悲しむとき・・・日々、その瞬間瞬間に感情が襲ってくるわけじゃないですか。襲ってきて、そこから、行動があるわけだけど、「なぜ、起こってきたのか。この不快な気持ちは何なのか」とか「この高揚した気持ちは何が原因なのか」ということまでは・・・つきとめないで、その感情に動かされてやってきたけれど、今は、「あ、あれだ、あの一言で、俺、今こうなっているんだ」っていうように思うようになったかな。
思ったから、何が変わったっていうわけじゃないけど。 - 城田
- あぁ・・・
そういうことがわかると、調節ができるようになるかもしれないですね。 - 北川
- うん。
- 城田
- たとえばあのことで、今こうなっているとか、わかるようになると、自分で予防とか、できるだろうし。
- 北川
- そうですね。
自分の精神状態が、何に影響を受けているのかっていうことを、わかるので、なにか気持ちが変化するたびに、「ああ、これはあのせいだなぁ」ってなんかこう、無意識に・・・原因を把握して、納得する・・・みたいな - 城田
- へえぇ。
- 北川
- ま、それだけでは意味ないんだけど。
その後、それを使って、もっと自分をマネジメントしていけるようになっていくのかもしれませんね。 - 城田
- ちょうどこの「今日のコーチ」のコーナーの第2回目に、斎木さん(北川さんと城田の共通の友人)にインタビューをお願いしたんだけど、彼女も・・・表現は違うんですけど、前は、頭突っ込んでたって。
だからどうしてそんなになっているのか、わからなかったけど、今は、メタの立場・・・もうちょっと客観視して自分を見られるようになったって・・・
それが大きかったって。 - 北川
- ああ、そうですね。そういう感じですね。
普通は、頭突っ込んでるあとで、どうしろ、こうしろっていう・・・そこでノウハウだとか、秘訣だとか言われているんだけど。
だけど実際は、その・・・頭突っ込むに至ったきっかけは何だったのかっていう、そこのことに気がつかないと、本質的な解決にならないんだけど、みんな、そのあと、どうすべきだ、こうすべきだって言うけど、それだけでは・・・多分、うまくいかないんだろうな。 - 城田
- そうですね。
その場は、いいかもしれないけど。
まあ、対処療法みたいなものですね。 - 北川
- そうそう。
「この薬飲みなさい」みたいなね。 - 城田
- そうね。
「鎮めなさい」とか。 - 北川
- そうじゃなくて「なぜ風邪を引いたのか」とか「なぜそのウイルスをもらったのか」とか今後それをさけるためには、どうしたらいいのか、とかね。
そこまでいくと、劇的に変わってくるんだろうね。 - 城田
- そうですよね。
そうなってはじめて、マインドの部分で健康だって言えるのかもね。 - 北川
- そうですね。
- 城田
- でもコーチングを知らない人からしたら、どうしてコーチングをすると、そうなるの?って思うかもしれないですね。
- 北川
- やっぱ、やってみなきゃわからないじゃないですか、これだけは。
- 城田
- そうですよね。
北川さんもコーチングをやってみて、それがわかったということですよね。それが大きな変化だったということですよね。
それで今は、コーチングを日々使っていて、コーチングがすごく機能したって、思ったことってありますか? - 北川
- うん。
トレーナーの仕事なんかのときは・・・たとえば昨日は8人の人と、トレーニングしているから、そこで使っているのでかなり頻繁にあるんですよ。 - 城田
- へえぇ。
そんなに頻繁に、コーチングが機能してるんですね。 - 北川
- ええ、しょっちゅうあるんですけど、やっぱり、その人の表情が、その瞬間にばって変わるので・・・僕のひとことで、変わる。「あ...変わった」みたいな(笑)
そういう不思議な瞬間がおとずれますよね。 - 城田
- あの・・・その北川さんがやっていらっしゃる加圧トレーニングって、私あんまり詳しくないんですよ。
ちょっと簡単に教えてもらえますか? - 北川
- ああ・・加圧トレーニングっていう意味じゃないです。
- 城田
- ???
- 北川
- 加圧っていうメソッドを使っていることがちがうだけで。
だから僕はただ、トレーニングをしている人に対して、言葉をかけるだけだから。 - 城田
- あぁ・・・
- 北川
- 何か特殊なことをやっている訳じゃない。
コーチングとかNLPとか、知らない人たちは、一生懸命なんかこう、腕を持ってあげたり、自分で一緒に、こう、やってあげたり・・・そういうふうにするかもしれないけど - 城田
- そう! そう! そう思う。
- 北川
- そういうふうにするかもしれないけど、僕は・・・ま、僕もやりますけど・・・自分の持ち味はそこじゃないので。
今朝なんかは、このまんまの格好で、「ここはこうなんじゃない?」って。 - 城田
- え? そのスーツで?
- 北川
- うん!
- 城田
- え~???
- 北川
- ただ、しゃべるだけ。言葉だけ。
- 城田
- えー、カッコいい~!(笑)
私、てっきり、こう、ジャージとかトレーニングウェアに身を包んで、タオルかなんか巻いて、やってるのかと思ってたけど(笑) - 北川
- それじゃ、ドリフターズだ(笑)
- 城田
- そうだ、そうだ、本当に!(大笑)
でもそのスーツでねぇ。スマートですねぇ。 - 北川
- だから、言葉でその人の、メンタルな状態をあげていくとか・・・そういうことが、一番、自分にできる仕事だと、そう決めているので。
それとか、ダイエットしようと思ってたのに、「また食べちゃった」とか、ね。
「運動しなきゃいけないのに、またさぼっちゃった」とか。
そういうときに、「どうしたらよかったのか」とかそういう特異な対話で、「あぁ、自分はそうすればよかったんだ」とか気がついたり、あるいは、勇気を取り戻したり・・・そういう瞬間が、ぱっと顔に、出るじゃないですか。そういう瞬間が、一番成果を感じるときです。
ま、投資・・・お金の話でもね、面談していて、やっぱり、僕のひとことで気持ちがしゅっと変わる、変わっていく、そういうのが自分の成果だな、と思うんですよね。 - 城田
- へぇぇ。
・・・なんか・・・エピソードとかあったら、教えてほしい。 - 北川
- まあ、お金の話なんかで言えば、こういう時期だから、すごく損している人たちが多いわけで。
でも、やっぱりそれは・・・田近流に言えば(笑)「失敗はない」ということで、「こういう場面でそういう体験をしたっていうことは、それをどう活かすかっていうことですよね」とか、「そういうことが起こっても、こうして平気でいられるっていうのは、すごいことですね」とか・・・いろんなフィードバックをすることによって、「そうなんだ。そういう考え方があるんだ。悲しむ必要はないんだ」って。「私が、失敗したわけじゃないんだ」って。
そこでリフレーミング。違うフレームを僕に与えてもらって、しゃきっとする、みたいなことは、マネーの世界では、今、頻繁に起こることですね。 - 城田
- マネー・・・お金って、すごく大切じゃないですか。自分の財産なわけですから。
それに関係する話ですから、取り乱したり、浮き沈みしたり、そういうことは起こりやすいですよね。
そこで北川さんにちょっとちがう視点に変えてもらうと、はっとすることはあるでしょうね。 - 北川
- お金っていうのは、まったくマインドの反映にすぎませんから。
- 城田
- マインドの反映?
- 北川
- そう。
それと必ず相関関係にあるっていうか、だから、傷ついて落ち込んでいけば、お金も減っていくし。そこで気を持ち直して、チャレンジしていけば、もう一回増えていくし。
だから減ったことにより、何を学ぶかっていう・・・そういうことが大事だし。 - 城田
- そうですか・・・
北川さんはコーチングを通じて、いろいろな人に、肯定的な変化をもたらしているんですね。
そういうとき、北川さんがこころがけていることとか、意識してやっていることってありますか? - 北川
- え~・・・・?
まあ、意識しない、っていうことでしょうね。
コーチングとかNLPとか、学びだしたころは、それこそ、「こっち引っ張って行こう」とか、「これはこうすべきなんだ」とか、もう、話を聴いて、一を聴いて百を知る、というか、「それはこうでしょう」みたいな、ことがすぐ口から出かかったけど、今は、こう・・・意識しない、っていうことでしょうね。それはその人の答えはその人の中にあるわけだから。
「こうしよう、ああしよう」とか思わないで、無心に対応する。 - 城田
- ああ。いいですね。無心にね・・・
- 北川
- そう、無心に対応することを、そこを意識しているかな(笑)
- 城田
- なるほど~!
- 北川
- 今も無心でいます(笑)
- 城田
- ありがとうございます!
大切なことですよね。無心になって相手に集中するって。 - 北川
- 相手の意識に集中することですね。
- 城田
- むずかしいですよね。それって。
- 北川
- うん。
やってみないとわからないし。
だから、僕も18ヶ月の講座を受けたわけだし、ま、本だけである程度のことは、想像はついたけど、やっぱりやってみないとわからないし。それに「ちょっと練習台になってくれない?」なんて誰かに言ったら「頭おかしくなったんじゃない?」って言われそうだしね(笑)
だから、そういう意味では、実践・・・練習相手ととか、ある約束事のなかで、トレーニングをさせてもらったというのがやっぱり、「ああ、こうするんだ」って「実際通用するんだ」ってわかったからできるんだろうと思いますけどね。 - 城田
- あの場は、学習の上で大切ですよね。
今おっしゃったように、ある決まり事のある中で、仲間同士で練習をする。しかも、プロの指導者のもとで。
これが現場でいきなり、練習したら、ちょっと、「言葉」だけに危険ですものね。 - 北川
- そうですね。
- 城田
- あの、北川さんが、コーチとして、あるいは、コーチングを行なっている上で、大切にしていることを教えてください。
- 北川
- 自分でする上で?
- 城田
- そうです。
- 北川
- そういう意味ではやっぱり、謙虚さ、でしょうね。
やっぱり自分は、これを習得する前は、「こういう面で優れているんだ。だからこういうものを与えてあげれば、役に立つんだ」と、思っていたからね。だからそれは、非常に余計なお世話だし、コーチングとかカウンセリングとかのときには、すごく邪魔になるものですよね。
で、それはクライアントの不快感とか、そういうものにつながっていくし、だから、自分が優越的な立場から、コーチングをしているんだ、なんて思わない、ていうことじゃないですかね。 - 城田
- とても深いですね。
- 北川
- いやぁ、練習とかしていても、男の人は多いですよね。
男の人は普通に、その、こう、なんか・・・問いただすような、というか嗜めるような、というか、あの、上から目線のような・・・もう自然にそうなっちゃう、ということがすごく多いですよね。男性と(コーチングの練習を)やっていたら、3人に2人はそういう感じだった、と思う。そういう感じを受けた。
ね、だからそうすると、この、クライアント役をやっててさ、この、むなしさはなんで来るんだろうってそう思っていると、「そうか、こいつが偉そうにしゃべっているから、おれ、むかついているんだ」って分析するわけですよ。
そうしたら「自分がああいうふうにしちゃいけないんだな」っていうふうになって、だから、そうね、謙虚さ。自分が優れているなんて、思わないように。どんなことであってもね。 - 城田
- 謙虚さね。
北川さんはコーチングの学習の場で、そんな目にあって(笑)
それで・・・ - 北川
- しゃべりたくなくなるんだよね。クライアント役をやっていて。
- 城田
- すごいいやですよね。あれ。
- 北川
- 最初は、その人が嫌いだからだろう、とか、そりが合わないんだろうなって、思っていたんだけど、だけど、そうじゃないんだな、と。
何かに傷ついたんだよね。
そこが、やっぱり、自分も傷つける役になってたんだなぁって - 城田
- その人に感謝ですね。今から思えば(笑)
- 北川
- そうですね(笑)
- 城田
- 大事ですよね。
謙虚さって私も好きです。 - 北川
- でも疲れるんですよね。
- 城田
- ?
- 北川
- 集中するっていうことが。相手の意識に集中しているっていうことは、すごく疲れる。
だから、トレーナーなんだけど、自分はコーチのつもりで、セッションのつもりでやってるから、すごい・・・疲れます(笑)。「なんでこんなに疲れるんだろう」って思ってそういうことを、コーチングとしていろんなことを、総動員して対応しているから、疲れるんだろうなと思いましたね。
疲れるじゃないですか。一対一のセッションって、一日8回もやったら。 - 城田
- いやぁ、8回やったらねぇ。。。
身が持つかしら。ほんとに疲れますよ、それ。 - 北川
- そうでしょう?
でもそれって相手の意識に集中するっていう作業に、エネルギーを使っているんだろうなって思いますね。
自分の脳から出てくる好奇心とか、ね、言いたいこととか、興味とか、あるわけじゃないですか。 - 城田
- そうなんですよ!
- 北川
- それを一切、放り投げて、相手に集中するわけだから。
あの、トレーニング中に、「はい。じゃあ15分でやってください」とか、そうやる分にはたいしたことないけど、実際本番の場で、8人とかやると、4、5人でも続くと、消耗しますね。 - 城田
- 本当に消耗しますよね。
逆に、今までは全然集中してなかったんだって(笑い)、私はコーチングを学んで、そう思いましたね。 - 北川
- そう、そう、そう!
素でやってるとね。 - 城田
- 自分の人間力で対応してると、何にも疲れないですよね。
当時は疲れるって思っていたけど、今から思うと、あんなのは、お笑いですよねぇ。 - 北川
- そうね。
- 城田
- う~ん・・・深い話ですね。
北川さん、すごく成長されたんですね。私が言うのもなんだかおこがましいですが(笑)。お話を聴くと、すごく内面が高みに行かれたというか。 - 北川
- いや、そんなことないですよ。
トレーナーの仕事を同時にやっているということで、面談の機会を常時やっているので、それはちょっと違うのかなぁって思いますね。
あの、マネーの相談だけだったら、そんな頻繁にあるわけじゃないし、またそのときは、事前に、コンテキスト考えて、よし、やるぞって準備してやるけど、トレーナーの仕事はもう日々、続々と生徒さんがきて、それに、ひとりひとり対応していくから、すごい日常的にやっていくじゃないですか。
だからそこが、その・・・ちょっと平気で使えるようになってきた、教わったことをね、構えずに、意識しなくても、できるようになってきた、そういうことをやっているから、トレーナーの中でね、それを使っているから、そうなったのかなぁって思いますね。 - 城田
- 実践して使っていくことで、また変わっていくのかもしれませんね。
- 北川
- そうそう。実践する回数が、すごい増えたから。
- 城田
- 一日8人でしたっけ?
よく身が持ちますね。 - 北川
- いや、でもひとり1時間だけど、「これは大事だな。大事な問答だな」って思うのは、ほんの20~30秒・・・1分もないですよね。
そこにこう、どっとどこにこの人の心の扉を開ける鍵があるんだろう、とか、どこにキーワードがあるんだろう、とかすごく探し続けて・・・「あっ、ここだ!」っていう感じでカチャっと開けるっていう・・・その瞬間自体は多分すごく短い時間だと思う。 - 城田
- 逆にそれは無駄がないっていうことですね。
- 北川
- あとは、もう無駄なことばっかり話していて(笑)
- 城田
- そのトレーナーの仕事ではコーチングがすごく役に立ってますね。
- 北川
- これはコーチングがすごく役に立っていますねぇ。
あとはコーチングのスキルを磨く上でもね。 - 城田
- 習っておしまいになっちゃうとね。
- 北川
- そうなるかなぁって思いましたけどね。
- 城田
- あ、そう? 本当に?
- 北川
- うん。
いや、トレーニングをやっていなかったら、ここまで毎日使わなかったと思いますね。
本当はもっと、マネーの方で、もっと、たくさんクライアントさんの役に立てれば、もっといいわけですけどね。 - 城田
- トレーニングとマネー相談、一人の人が両方やっている、というのは面白いですよね。
全然違う分野じゃないですか。 - 北川
- うん。
- 城田
- ひょっとしたら、何かつながりがあるのかも・・・
- 北川
- あ、同じなんですよ。
- 城田
- え? そうなんですか?
- 北川
- 同じですよ。
- 城田
- 同じですか? え? どこが?
- 北川
- 前お話したかもしれないけど、去年から、3M戦略っていうのを始めて・・・
要は、心(mind)の健康、お金(money)の健康、体(mustle)の健康で、それをリンクさせた中で、アドバイスをしていくのが、僕のコアな品質というか。なので同じなんですよ。メカニズムは同じですよね。その人がうまくいくのも、つまずくのも、多分同じですよね。
それが、ダイエットか、投資か、そういう精神的な健全性のことか、テーマは違っても、ひとつの混乱というものが、その人を制約することになってくるとか・・・あるいは、希望から遠ざかっていく、っていうことになっていくのは同じですよ。 - 城田
- 同じね・・・
北川さん、いいお仕事ですね。 - 北川
- ね!
そういうことを言って、実践しているのは日本で僕だけじゃないかなって。今は、思うんですけどね。 - 城田
- そうですね!
その組み合わせは、あまりないし、気がつかない。みんな別のことだって思っているじゃないですか。 - 北川
- ま、それはコーチングっていうことが、わかったので、自分の中で、つなげることができた、ということですね。
- 城田
- へぇぇ。
- 北川
- でも、アメリカの本には書いてありましたよ。あれはNLPの本だったかな?
「マネーには手を出すな」って。プラクティショナーはね。「マネーの部分は危険だから、そこを扱ってはいけない」とか(笑)書いてありましたけど。
今そこを扱っていますけどね。 - 城田
- まあ、いろんな考え方がありますけどね。
- 北川
- うん。
- 城田
- さて、3つのMの話が出て、話が広がってきましたが、北川さんが社会でこういうことをやってみたいとか、希望とか、あったら教えてほしいんですけど。
- 北川
- ・・・社会で・・・・?
いや、あんまり、そういうのはないです。
ただ・・・やっぱり、そうですね。どんな人でもみんなよりよく生きたいと思っているし、実は結構一生懸命やっているわけですよね。でも、ほとんどの人がうまくいかない。やっぱりそれは、こういう自分の心のメカニズムとか、脳の構造とか、あるいは感情の由来とか、そういうことがわからないので、混乱して、うまくいかなくなっちゃってると思うんですよね。
だから、そういうので、個々の人たちに、自分が学んできたことで、役に立てればいいなって。
それがひとりでも、ふたりでも、多くの人に役に立てればいいなって思うし。そういうことだけですね。
だから、それで社会をどうしようとか、そういうふうには。
やっぱり目の前にいるひとりのお客さんに、たくさん自分の持っているものを、活かして役立てればいいなと。 - 城田
- 社会、というよりも、目の前のお客様の役にたちたいという・・・
素敵ですね。北川さんらしい。 - 北川
- 制約してますよね(笑)
- 城田
- そうですか?
- 北川
- それ以上に広げていくと、余計なことまでしてしまいそうで。
- 城田
- うん・・・さっき北川さんがおっしゃっていた謙虚さ、それにつながるような気がします。
それと・・・英語のことわざで“Charity begins at home”というものがあって、これは慈善は家庭からっていうような意味なんですが。たとえば政治家とか有名人とか、社会のために、って一生懸命言っているけど、身近なところで本当にその人は、よいことをしているかとか、人の支援をしているか、というと、そうじゃなかったりすることもある。
でも今の北川さんの話は、目の前にいる人、自分のそばにいる人を、支援したり、その人たちの役に立とうという・・・そういう気持ちって大事なんだなぁって思いました。 - 北川
- ま、結局自分のためにやっているんでしょうね。
自分が高まるとか、自分が喜びを得るとか、自分の価値があがるとかね。そういうことにはね返ってくるから、そうしているんであって、それでやっているんだと思いますけど。 - 城田
- そこ、むずかしいですよね。
どこからどこまでが自分のためで、どこからどこまでが人のためなのかって、私もよく考えます。 - 北川
- でも、人間は自分のためにしか、行動しませんから。最後は。
最後は必ずそこに戻ってきますから。
戻ってこないって言っている人がいたとしたら、その人は気がついていないだけで、実はとても腹黒いことになっているかもしれない。 - 城田
- ええ。欲望というものは、
必ず私たちの中にあって、だから私たちはここまで生きているわけですものね。自分には欲望があるということを、認めなければいけませんね。
さて、これからコーチングを受けたいと思っている人に、ひとこと、どういうメッセージを? - 北川
- 受けるにあたっての心構えみたいなこと?
- 城田
- はい。
- 北川
- ま、オープンになることでしょうね。
オープンにするのも、コーチの腕前だけど、あの・・・心のシャッターを閉ざしたままで、「この人どんなことできるんだろう」とか、そういうふうに臨むと、お金と時間の無駄だと思うんですよね。 - 城田
- そう、そう。
双方が協力して早い時間で、よいものをつくるんですものね。 - 北川
- だから心を全面開放して。素直に対応しないと・・・そうすることがいいと思いますけどね。
だから、もしかしたら、オープンになれないっていうところに、コアなその人の課題があるのかもしれないから、そういう意味では、その・・・セラピーとか、カウンセリングとかに、なるのかもしれないっていうことで。
でも、そういう間口の広い、プラクティショナーっていうのかな、コーチっていうか、間口の広いひとに出会わないと、そういかないよね。コーチングしか出来ない人に、本当はコーチングじゃ解決できない問題を持ち込んできても、こう、矛盾しあうと思うんですよね。 - 城田
- 対応できない・・・
- 北川
- そう、対応できない。
ま、そういう意味では、そうですね、
コーチングを受けるということと、たとえばもっと深いセラピーとか、そういうものを受けるっていう人と、それから、ただプロフェッナルのアドバイザーの知恵を借りたいっていう人と・・・まあ例えばおおざっぱに言えば、その3通りあって、本当にコーチングが自分にとって、必要なのかっていうことを、考えた方がいいっていうことですかね。 - 城田
- そうですよね。
みなさん、ニーズがあるわけですよね。 - 北川
- そう、そう。
心を明かせないところに、その人の一番の問題があったとしたら、コーチングじゃ解決できないんじゃないかなぁと。 - 城田
- そうですね。
もっと深いところに、課題があった、ということになりますよね。オープンになれないと、むずかしいですよね。
「何も話したくない」って言ったらコーチングはちょっと・・・ - 北川
- で、その理由も「わからない」と。「話したくないし、でもなぜ話したくないのかがわからない」と。
そのコーチが悪いのか、自分の感情が塞いでいるのか、というところがありますよね。 - 城田
- 冒頭の北川さんの話のように、なぜこの感情が起こっているのか、ということを特定できないと・・・
- 北川
- むずかしいでしょうね。
そうすると、そこから扱う必要があるでしょうね。そういうときは、城田さんみたいな優れたコーチに(笑) - 城田
- (大笑)
私たちも努力したいですね。 - 北川
- でもNLPからコーチングに入った人は、みんなそうじゃないですか。多分セラピストもできるし、カウンセリングもできるし、コーチもできるっていう・・・
でもそうじゃないコーチっているから。だからせまい意味でのコーチ、っていう人たちがいるから、そこは、そこに対応できない人のところに。
八百屋に行って「ビールくれ」って言ってもね(笑)。 - 城田
- そうですよね(笑)
- 北川
- ないものねだりじゃね。
- 城田
- 本当にほしいものなのか、自分のニーズに合っているのかって、ちゃんと確かめることが大切ですね。
さて、今度はこれからコーチングを勉強したいと思っている人に、北川さんからメッセージをお願いします。 - 北川
- 自分が変われる、っていうことが、一番の魅力じゃあないですかね。
「これで人をどうできる」とか「収入がどうなる」とか「売上げがどうなる」とかそういうことよりも、自分が変われるっていうこと・・・
もし自分が変わらなかったら、変われなかったとしたら、人を変えられるわけがないし・・・ - 城田
- 収入も変わらないですよね(笑)
- 北川
- そうだね(笑)
だから、自分がどう変われるかっていうことに、まず、集中して、やっていったら、その報酬というか、そこから得られる経済的な収入って、すごいものになりますよね。
ひとりの人を変えて、「はい。じゃ、いくら」って言ってやったら、ただそれだけだけど、自分が変わるっていうことは、無限のリソースだからね。 - 城田
- そうですね。
源泉が変わるっていうことですね。 - 北川
- あとコーチングやっている人でも、ときどき思ったのは、「私は正しい」と・・・で、悩んでいるクライアントさんを治してあげようとか・・・っていう感じの人。
さっきの謙虚さとか、共通するかもしれないけど、でも、結局人間はみんな病んでいるので・・・だから全員精神病院に入るべきで・・・そういうことがわかるといい。それが大事ですよね。
自分も病んでいる部分がある、あるいは歪んでいるところがある、それを自分はわかっている、そしてそれがどこから来たかもわかっている、それを修正する方法もわかっている、だからコーチなだけであって、歪みや偏りが、ないわけじゃないですよね。そこをやっぱり忘れると、奢ったコーチになるんじゃないかな、と。
コーチングの研修に行っても、結構そういう人がいたような・・・ - 城田
- そういう人も学習を積んで、変わられるんでしょうね。
- 北川
- でしょうね。
だから自分がコーチングを受けたときにですね、気がつくんでしょうね。
まあ人間は変われないっていう部分もあるしね。変わった気分でいるけど、実は進歩していなかったっていうこともあるしね。 - 城田
- 北川さんは?
- 北川
- 最近そう思いますよ(笑)。
- 城田
- え? 本当に?
- 北川
- ええ、だから、コーチングに通っているときは、「一歩一歩進歩している」ってそう思ってやってきたけど最近は、「そんなこと思っちゃって、実は全然変わってないんじゃないの?」って。そんなもんじゃないかな、っていうところもあります。
- 城田
- う~ん・・・絶対値としては、変わったんでしょうね。
ただ、相対的に、見る位置が変わったから、「ああ、それは小さな一歩だったなぁ」って思えるようになったんじゃないかなぁ。 - 北川
- ・・・
ああ、なるほどぉ。
そういうふうに言われると、そうかもしれないね(笑) - 城田
- そう、だから、成長しちゃったので、前は成長していなかったので、一歩がすごく大きく感じたんだけど、今は本当に成長したので、もっと大局から自分を見て、「ああ・・・進歩したのは確かかもしれないけど、それは小さな一歩だったんだな」って認識できたんじゃないかなぁ、とそう思ったんですけどね。
- 北川
- な~るほど。
そう言われると気分はいいですね(笑) - 城田
- 本当にそう思ったんですよ。
だから優れた人って謙虚なのかなって。
さて、そろそろインタビューもおしまいです。なにか言い足りなかったこととか、ありますか? - 北川
- 特にないです。
逆に城田さんが、訊き足りなかったことは? - 城田
- ないです。
いいお話をたくさん聴けたので、とっても満足です。
ずっと一貫していましたね。
質問はちがっていても、北川さんに流れているものってすごく一貫性がありました。 - 北川
- なんだかコーチングを受けた気分で(笑)。
ありがとうございました。 - 城田
- こちらこそ、ありがとうございました。