今日のコーチ

第6回

2009.09.15 | 00:36

齋藤 瑞穂 さん
研修講師
PHP認定上級ビジネスコーチ
メールマガジン
「100万人のビジネス・コーチング」
第14号掲載

今日ご紹介するのは・・・現在フリーで研修講師、ビジネスコーチとして活躍中の齋藤瑞穂さんです。
企業研修の講師として活躍する齋藤さん。彼女は小学校6年生の男の子のおかあさんでもあります。仕事においても家庭においても、誠実にそして素直に生きていらっしゃるコーチです。
インタビューの当日、彼女はバナナ・リパブリックのドレープのある、フェミニンなワンピース姿で現れました。その柔らかいたたずまい、凛とした存在感、女性として、本当に憧れてしまいます。コーチングの仲間からは「瑞穂さん」と呼ばれていて、まさにその名前の響きが彼女にはぴったりです。このインタビューでも「齋藤さん」とは呼ばず、いつものように「瑞穂さん」と呼びました。
そんな素敵な瑞穂さんのインタビュー。職業人として、家庭人として、そしてひとりの女性として、どのシーンでもきらきらと輝く様子がインタビューのあちこちで見えることでしょう。

齋藤さんの一言

『目の前にいるクライアントを信じよう』と思いました

聞き手: 城田(fRee sTyle)

(以下会話中、敬称を省略します)

城田
最初の質問は、瑞穂さんの今についてです。
研修講師が主なお仕事ですよね。
齋藤
はい、そうです。
城田
今、どんなところで、そしてどんなシチュエーションで、そしてどんな人にコーチングを使っているか・・・教えて頂けますか?
齋藤
はい、そうですね。
コーチングのスキルて関しては、研修の中で、使っています。
最近はコミュニケーションやマナーに関する研修の依頼が再び増えていますし、管理職やマネージャの研修でもコミュニケーションは大事な要素だと私は思います。やっぱり仕事ってコミュニケーションの上に、なりたっていますよね。
そんなわけで、研修の中でコーチング・スキルを使うことが多いですね。
あとは・・・日常生活の中で・・・家族とか、子供とか、それから自分のお友達との会話の中で、コーチングスキルを使うことがあります。
コーチング・セッションに関しては、昼間に研修が入っている日は夜の時間帯とか、研修が入っていない日は昼間であるとか、クライアントと相談をして、決めています。
私の場合、クライアントの方はご紹介の方が多く単発のセッションというよりは、例えば、3か月とか、半年とか、比較的、長い期間の中で、コーチングセッションを実施することが多いですね。
城田
なるほど。
研修講師のお仕事の場面で、そして日常生活、家族との対話や、またはお友達との会話の中で、コーチングスキルを使っているんですね。
また、ある一定の長い期間にわたってコーチングセッションをクライアントの方に提供している・・・ということですね。
齋藤
はい、そうです。
それから、扱っているテーマは、、ビジネスとプライベートが、だいたい半分ずつくらいです。
ですから、クライアントはお仕事をしている、ビジネスというくくりの方。たとえば企業や病院にお勤めの方とか、ご自分でお仕事をしている方とか・・・
あとは、もうそろそろ定年退職をするので、これから自分で、どう、個人事業主としてやっていくかなど、第二の人生のビジネスっていうことを
考えている方・・・
それから、子供を持っているお母さんや主婦の方です。
城田
家庭の中での・・・相談でしょうか。
齋藤
やはり、女性が仕事をやめて、家庭に入ることに、葛藤や戸惑いを感じるかたもいます。
たとえば、子育てをしているときは、それなりに生き甲斐とかやりがいとかを感じられるんですが、子供が育つとちょっと心に、穴があくというか・・・「私の人生ってなんだろう」ってちょうど考えるのが、40代なんですよね。
子供がいなくてもそうだと思うんですが、ちょうどこう、人生の節目に来たときに家庭と自分のバランスで悩んだり、一歩を踏み出す勇気が欲しかったり・・。
城田
なるほど。
ちょうど子供が成長して、もう自分のサポートはそれほど必要ではなくって、今度は自分のことを考えるということなんでしょうか。
齋藤
そんな感じですね。
城田
ここまでのお話しを聞いて、瑞穂さんがどんなふうにコーチングと今、関わっているのかが大体わかりました。
瑞穂さんはコーチングを本当に活用されているんですね。
研修講師というお仕事の中で、研修中コーチングのスキルを使ったり、ビジネスマンや家庭の主婦の方に、コーチング・セッションをしたり・・・
そして、プライベートではご家庭の中でもコーチングのスキルを使われているんですね。
齋藤
あの・・夫にはうまくいかないんですけどね(笑)
(二人)
(爆笑)
城田
それはそうですよね(笑)。よくわかります。
夫婦間はむずかしいっていいますものね。
齋藤
はい。
城田
すると、コーチングは主にお子さんに・・・ですかね?
齋藤
ええ。小学校6年生の息子がいるので。そろそろ思春期ですし、今、受験というか・・・いろいろな葛藤があります。
そうするとやっぱりコーチングスキルを意識して使うことが多いです。
コーチングのスキルを使うことで、私も「母親」っていう・・・なんていうのかな・・・感情が近くなるところをコーチングによってうまく切り抜けられる・・・。
城田
あ、なるほど。
メタの立場になれる・・・
(注:メタの立場とは、その状況の中ではなく、上からその状況を俯瞰できるポジション)
客観視できるんですね。
齋藤
ええ。だからすごく楽ですね。
城田
それは、すごく必要ですよね。
どっぷり頭をそこに突っ込んじゃうと、何にもわからなくなっちゃうことがあるけど、ちょっと一回離れて自分をみつめると、いろんなことに気がつきますよね。
齋藤
ご主人ともそういうことありません?
城田
あ・・・どうだろう・・・?
齋藤
京子さんのところは仲がいいから・・・喧嘩することもないから、使う機会がないかもしれないですけど・・・
城田
うちはあんまり喧嘩しないんですよね。
齋藤
でしょう?
私もそんなに大きな喧嘩はしないけど、日常の中でちょっとしたすれ違いがあると、こう・・・なんていうのかな・・ちょっと、言いそうになるときもあるのでそんなときは事実と感情を切り離してコーチング的アプローチを意識します。
城田
あぁ~、なるほど。
齋藤
コーチングを学ぶ前ってもしかすると、自分の気持ちとかを伝えるときに、相手がどう受けとめるかって、考えていても、なんていうのかな・・・効果的なアプローチができなくて、あらら・・ちがう方向へいっちゃった・・って思うこともあったけれど、なんか、そういうのが少なくなったかな。
客観的に伝えるようになったのは、よかったなぁって・・・
城田
そうですよね。
客観的にみる、ちょっと一拍置いてみる、って大事ですよね。
たとえ家族でも・・・いや、
(二人)
・・・家族だからこそ!・・・(笑)
城田
私も母に対してよくあるんですが、どうしても感情だけを露出しがちですよね。
自分の身内ってね。
でもコーチングがあると・・・
齋藤
いいですよね。
城田
瑞穂さんは仕事でもプライベートでも、いつもコーチングを本当に活用してますよね。
齋藤
活用できているかは・・・でも、意識はしていますね。
そして、助かっています。
城田
ところでコーチングって、瑞穂さんはいつから始めたんでしょう?
齋藤
え・・・と、本格的に学び始めたのは、2005年の1月からのPHPのビジネスコーチ養成講座ベーシック7期に申し込んでからです。
城田
2005年の1月に始めたんですね。
齋藤
はい。
コーチングを知ったきっかけというのは、それよりももう少し早くて・・・1998年頃だったと思うんですけど・・・研修会社の講師ミーティングの中で、コーチ21の元取締役をなさっていた方がスキルとしてコーチングを紹介してくださったんです。
城田
それでコーチングを知ったんですね。
齋藤
ええ。
すごくいいなぁって思ったんですね。直感で。
城田
うん。
齋藤
けれど、その当時は研修のオプションとしてコーチングを捉えていたので、足踏みしてしまいました。
日本ってアメリカからやってきたものをいいっていうじゃないですか。ただ、日本のこれまでの文化のなかで、こういうコミュニケーションに、お金を払う習慣って、あまりないじゃないですか。そういうことを考えたときに・・・仕事としてコーチングが成り立つのか・・日本の文化に根付くまでには、ちょっとどうなるかわからないって。
まだ私自身もコーチングを受けていたわけでもないし、自分に変化があるって、全く知らないときだったので、じゃ、ちょっと待とうってことで、ちょっと待ってたんですよ。
それから暫くして、そのときの講師仲間の先生がPHPのコーチングに行って、変わったんですよ。「すごくいいよ」って話していたのを聞いて、「あ!」って思いだして、すぐにいろいろ調べました。その方にも電話で話を聞きました。
「すごく難しいし、すごく論理的だし、(講師の)田近さんって・・・理解できないよ」って聞いたので、まずは自分でよーく考えて、コーチングを学ぶ機関をいろいろ探しました。
それから、もう一回その方にお電話をして、「あの、本当にむずかしくてわからないんですか?」って訊いて。その時「本当にむずかしくてわからなかった」って言ったんです。「わからなかったってことは、いつかわかるんですか?」って聞いたら・・・
城田
「あ~・・・いい質問」
齋藤
「再受講とか勉強会とかをしていく中で、わかるようになってきた部分もある」ってそのときその方がおっしゃって・・・「私も論理的に話を展開するのって苦手だったけれど、少し論理的に話せるようになった・・」とも話してくれました。
「そういうこと学ばせてくれるから、きっと齋藤さんにいいんじゃない?」って言ってくださったんですよ。
それですぐに申込みに行って・・・
城田
それが2005年の1月?
齋藤
はい。
城田
そんなことがきっかけで、コーチングを学ぶことになったんですね。
その学ぶ前と後では何が変わりました?
齋藤
そうですね、いくつかの変化があったと思うんですけど、まず、外的なものとして、環境が変わりました。
たとえば・・・仕事をする環境とかスタンスとか・・・が変わりました。
それまでは研修会社に登録していて、たまに働く・・・とか、頂いたお仕事で働くっていう感じだったんですけど、コーチングと出会って、基本的には、個人で独立してやろうかなって。
研修会社ともいくつか提携はしてるけれど、そっちは主じゃないんです。個人で・・・なんか知らない間に、仕事の依頼が、来るようになりました。
城田
へえぇ・・・素晴らしいですね。
今まで受けていた感じだったのが、自分からっていう感じになったんですね。
齋藤
ええ。
あとは自分で仕事を選べる。
城田
選べる・・・
齋藤
私の場合は子育てもあったし、なかなか親を頼るっていう環境がなかったので、そういう中で、私にとっては仕事も大事だけど、家庭も大事なんですよ。
やっぱりそのバランスを保ちながら仕事を選べる環境になったっていうのは、コーチングのおかげかなぁって思います。
城田
自分で舵を取るようになったんですね。
齋藤
あと、内的な変化としては・・・まあ、コーチングを知る前に、なんとなくやっていたって思うことがスキルとしてあったんですが、それを体系的に学ぶことで、「あ、あたしこんなことやっていたんだ」って。だから逆に自分がやっていたことでいいなって思うことを誰かに伝えるっていうときに、体系的に伝えれば、多分それをわかりやすいし、誰にでも再現することが可能だったりするんじゃないかって。
あ、これ内的な変化じゃないですね(笑)。
とにかく内側で変化があったんですよ。
え・・・と自分の心の中の豊かさとか、充足感とか満たされていく感じ。なんか自分が主体的に生きていることで自分の未来は・・・どうにでも豊かになるって。
それまでは、どちらかと言うと、「わたしにはどうにもできない」って、流れに身を任せて生きてきたんですが、そうじゃなくて、自分で流れは変えられるし、自分の充足感を・・・心が満たされていくようなことに気づきました。
城田
いい変化ですね。それは。
生きていく上ですごく重要なことじゃないですか。
齋藤
すごく重要だなって思います。
城田
生きていく上での根幹となるところですね。
齋藤
ええ、それが大きな変化だったなって思います。
城田
コーチングと出会ったことで、素晴らしい変化をいろいろ体験して、今、瑞穂さんは実際にコーチングをいろいろな場所で活用しているわけですね。
そんな中で、コーチングが、すごく機能したなって感じたのはどんなときですか?
齋藤
え・・・と。
そうですね・・・最近いくつかコーチングが本当に機能して、クライアントも私も本当にすごく、ハッピーだなって思うことがあったんですけど・・その中でひとつ・・・
ある病院の管理職の方だったんですけど、直属の部下の方が20人くらいいて、その下にはもっとたくさんいるんでしょうけど。なかなか直属の部下とのコミュニケーションがはかれなくて、困っていました。
ちょうど転勤でその病院に異動してきて、少し経ったころでした。環境が変わったりして、一年くらい自分で何とかしようと頑張ったんだけど、なかなかうまくいかないっていうときに、私がコーチングをお引き受けすることになって。
人はひとりひとり違うよさがありますよね。でもコーチングセッションをする前のクライアントは、部下の20人の中で「○○さんと△△さんと××さんは私と合うけど、あとの人はもう理解もできないし、何度言ってもできない!」みたいな、どちらかと言うと、相手が悪いと決めつけている感じでした。
そのうえ、「□□さんはちっともわかってくれない!」と部下に言われてしまったそうです。自分としては思いがけないことだったので、かなり落ち込んでいる様子でした。
仕事への自信が揺らいだり、葛藤があったり・・・という感じだったんですが、半年間のコーチング・セッションが終了したときに、「人ってひとりひとり違うんだなってことがよくわかりました」「自分が変わると周りも変わりますね」って。それからクライアントのコミュニケーションの奥にひそんでいた思いも完了したそうです。
当初は仕事のテーマ・・・部下とのコミュニケーションということで半年間コーチング・セッションをしたんですが、その方はずっと仕事をして
キャリアを積んでいますから、家庭とか・・・ご自分の親に対して、お仕事柄泊まりとか、転勤もあって、ちょっと引け目というか負い目があったのです。
そういう部分がセッションの中でも出てきたので、両方扱っていく中で、自分が満たされると、人に対しても、すごくおおらかになれたりとか、ポジティブになれるっていうことを感じてくださったそうです。
その後、その病院の別の方からその管理職の方が変わったって・・・!
コーチとしてクライアントの変化を、すごく感じていたんですが、実際にその部下であった方とお会いする機会があって、「なんか、□□さん、変わったんですよ!」っていうことを聞いたんです。セッションを受けているってことは、内緒だったみたいなので、もちろん言ってないんですけど。クライアントの周囲の人から聞いたときに、本当に嬉しかったです。
城田
それは嬉しい・・・!
本当にコーチングがきっかけとなって、その人が大きく成長して、しかもそれが第三者からも「変わった」と認識できるレベルになったということは、本当にすごく大きいことですね。
齋藤
そうですね。すごく、嬉しかった。
本人からも「すごく充実しています」ってたまにメールを頂くことがあるんですけど、第三者からっていうのが嬉しかったです。
城田
すごくいいコーチングだったんでしょうね。
齋藤
もともとその方の持っているリソースというのも、高かったんだと思うんです。
コーチングを通じてそういう経験を一緒にできたのはよかったなって思っています。
城田
いいお話しですね。
その方が成長するきっかけとなったコーチング、さきほど6か月ほど続いたということでしたが、そのコーチングにおいて瑞穂さんが、意識して行ったことってどんなことでしたか? 工夫したこととか・・・
教えてもらえますか?
齋藤
えっと・・。
その方とのコーチングは電話だったんです。
城田
あ・・・そうでしたか。
齋藤
だから会ったことがなかったんですよ。半年間。
城田
へえぇ。。
齋藤
半年間のコーチングが終わった後に、会ったんですよ。地方だったということもあるし、ちょっとスケジュールが合わなくって。
ただ、電話で見えなかったんですけど、常に目の前にいる・・・クライアントを、信じようということは、ずっと思っていました。
クライアントに正直になって頂くのと同じで、私自身も正直でありたいなぁって思っていて、初回のセッションはかなりていねいに、お互いを知るということと、6ヶ月間の中でどんなコミュニケーションを、つくるのかってこと。コーチングには安心感・信頼感が大事なので、初回はとにかくラポール作り、をすごく意識して行いました。
あと、半年間というスパンがもう決まっていたので、そこに対してクライアントがどうしたいかっていう要望を、しっかりと聞いて、全体のイメージを共有しました。
実際のセッションでは、クライアントが今どんなことに焦点をあてているのかとか、それから・・・チャンク・・・どのサイズの話を扱っているのかとか、そんなことをセッションの中では意識していました。
そして、一番意識していたのは、自分の生き方とか、あり方がセッションに出ると思ったので、その辺を・・・。自分の中で大事にしている価値なんですけど、やっぱりクライアントに対しては常に誠実でありたいなぁって、そんなことを心がけていました
城田
ああ・・・素晴らしいね。
田近さん(注:PHPビジネスコーチングのトレーナー)が聞いたら泣いて喜ぶような・・・(笑)。
齋藤
え?そんな?(笑)。
城田
すごくいい視点ですよねぇ。
結構、俯瞰するタイプですね。
齋藤
あ、そうですか?
城田
うん、お話しを聴いていると。
細部のスキルも大事だけれど、瑞穂さんはそれよりも全体像をまず作るっていう・・・そういう感じが、今すごくしました。
齋藤
え~、嬉しい(笑)
城田
さすがに勉強をなさった方だな・・・と。勉強していなければ、さっき瑞穂さんが言ったようなことは、なかなか言えないですよね。
聴き惚れてしまいました。
さて、次は、瑞穂さんがコーチとして、大切にしていることをお聞きしたいのですが、コーチングを使う者の立場として、重要だと思っていることを教えてください。
齋藤
やっぱり・・・コーチのあり方みたいな・・・倫理観とか・・・私は・・・すっごく重要だなって思っています。
コーチングを受けたいなって、思っているクライアントの方というのは、私を信用して来てくれているので。
それからコーチングというのは、大げさに言うと、その人の人生に何らかの影響を、与えてしまうかもしれない・・・って思っているので・・・
私自身が、田近さんから影響を受けたように、そう考えると、やはりその人に対して、その人の人生に対して、私との出会いが、大事だなぁとか、大切なものだなぁと感じられるように・・・あり方のようなものがすごく、重要なんじゃないかなぁって思います。
スキルはきっと、誰でも使えると思うけど、でもそういうあり方っていうのは、コーチそれぞれですし・・・欧米では、ちょっと前には、倫理観というものが、ずいぶん問題になったりして、そういう規制が少しできつつあるっていうのを聞きましたが、日本はまだそういう倫理観とかは・・・コーチの質は、本当にさまざまですよね。
私もあまり人のことは言えませんけど、「誰でもコーチ」みたいなところが・・・
城田
ありますね。たしかに。
齋藤
でもやっぱり、クライアントに何らかの影響を与えるっていうことをきちんと認識している人って、少ないのかなって思うことがたまにあります。
他のコーチングを受けていたんだけど、「ちょっと・・・」って言って、私のところに来るクライアントもいます。
それから、コーチングって聞いたら「もう、やだ!」っていう人もいて、「どうしたの?」って訊くと、「がんがん言われて・・・」とか、「コーチに追い詰められているような気がして・・」とか。
それはもしかすると、コーチングじゃなくて、コーチのあり方に問題があるんじゃないのかなって、感じることがあります。
城田
う~ん・・・本当にそうだと思う。
まったく同感。
齋藤
やっぱり?
京子さんも感じますか?
城田
すごく感じる。
その、誰でもコーチって、問題だと思います。
齋藤
私もそんなこと言ったら、ね、ほら、あれだから(笑)
でも逆にそういう話を聞いたり、そういうことを感じたら、自分も気をつけようって思っています。
城田
そうですよね。
身を引き締めるというか・・・
齋藤
ええ。だからコーチのあり方って大事なんだなって思っています。
城田
ええ、出てしまいますよね。所詮生き物だからね、出ますよね。
瑞穂さんに今、とても大切なことを言ってもらってよかったです。
さて、それでは瑞穂さんがこれから、コーチングを通じて、社会で実現したいことを教えてください。
齋藤
そうですね。
もしかしたら自分のミッションとつながっていくかもしれないんですけど・・・私と出会う人とか私と出会った人が、その人が望む環境で、その人の心の充足感とか、そんなようなものを感じながら、活躍してくれる・・・そんなことを支援していきたいです。
そのことを通じて、もっと世の中が満たされるというか、本当の意味での豊かさ・・・豊かさっていうものを、それぞれの人が実感して、生きていけるんじゃないかなって。
城田
うん・・・世の中をつくっているのは、人ですものね。
ひとりひとりが望む環境で望む生き方をして、本当の豊かさを持つことができたら、世の中は確かに変わりますよね。
齋藤
そうすれば、今起きている問題とか、本当に悲しいようなこととかがなくなっていくような気がします。
多分、私たちが子供のころには考えられなかったような事件が毎日のように・・・ありますよね。昔って一ヶ月に一回、そういった事件があって、「え?!」っていう感じだったのに、今は毎日事件が起きている。
きっと心の充足感を感じれば、そういうことが減っていくのかなって。
私が思い描いている未来っていうのは、やっぱり息子とか、これからの未来を創る子供たちに明るい社会・・・明るいっていう言葉がちょっと軽いかもしれないんですけど、これからの自分たちの次の世代に、なんかそういう楽しい社会を残したいなって思っています。
日本てすごくいい国じゃないですか。つい海外に目がむいちゃいますけど、そうじゃなくて、もっと日本の良さを、次に引き継ぎたいなっていうのが、私の中にあるかもしれません。
城田
そうですね。
お子さんがいらっしゃると特に、そういう視点で考えるかもしれませんね。
とても大事なことですよね。これから渡していくわけですから、この社会を。
齋藤
今の子供たちが、もっと未来に希望が持てたり、誰もが夢を見られる環境が、あったらいいなぁって思います。
理想論と言えば理想論なのかもしれないけど、でも結構本気でそういことを信じています。
城田
私もそうかなぁ。
コーチの人は割と、チャンク大きめのことを、真剣に信じて本気で取り組んでいますよね。
理想がなければ何もはじまらない・・・って思います。
齋藤
それもコーチングに出会ったからかもしれませんよね。
コーチングに出会う前は、「そんな理想を言ったって・・・」と言っていたかもしれません。それと、そういうことって恥ずかしくて言えなかった(笑)。「愛」とか。
城田
そうですね。
「豊かさ」とか「平和」とか・・・
齋藤
でも、やっぱりそこって大事だなって。すごく感じます。
城田
そうですよね。
同じ人生でもそういうことを意識しながら、実現できる、できないは別としても、意識しながら生きているのと、まったく考えないで生きていくのでは、人生の質が全然ちがうかもしれない。
齋藤
そうですね。
あと・・・今、お話ししていて思い出したのですが、私、多分コーチングを始めて、私の中での柔軟性がすごく高まったような気がします。
城田
例えばどんな?
齋藤
・・・コーチングに出会う前は、枠に捉われていた気がします。
良いお母さんとか、良き妻、良き嫁とか・・「こうあるべき」とか、そういうのが、いろんなところで、あったのかもしれない。
今は何があっても、誰にあっても、どんな状況でも大丈夫・・・みたいな。そんな感じがします。
城田
へえぇ。。。頼もしいですね。
齋藤
柔軟性・・・多分どんな問題が起こっても、それを、受け入れられる・・自分の柔軟性が高まったなぁってそんな風に感じますね。
たとえば、さっき話したような自分の目指しているものに対して、いろんな要因があったとしても、「今はこうだけど、確実にそこに向かっている」とか・・・結果がすぐにでなくても、受け入れることができるようになったんですね。
城田
そうですか。すごくよくわかります。
さて、ここまでお話しを聴いて、コーチングの魅力がすごくたくさん出てきましたね。
これからコーチングを受けたいなって思っている人に、メッセージをお願いします。
齋藤
え・・・と、コーチはたくさんいるので、自分のテーマとか、目的とか、課題とか・・・自分に合ったコーチを探すことをお勧めします。
どんなコーチでもいい、っていうんじゃなくて、せっかくコーチングを受けるのであれば、自分と相性が合う、テーマが合う、そんなコーチを探してもらいたいなって思います。
私たちは相手にいろいろな意味で影響を受けますから。
城田
すごく現実的なアドバイスでいいですね。
では、今度は瑞穂さんのコーチングを受けたいと思っている人へのメッセージは?
齋藤
それは・・・ちょっと困ったな・・・
城田
あ、困りました?
では、どうぞゆっくり考えてください。
齋藤
・・・・・・
では・・・まず、気軽に試してみてください。
城田
ああ、いいですね。
齋藤
それで、もしお互いに相性が合えば、一緒に変化を創りましょう。
そしてまだ気づいてない自分の新しい可能性とか、それから、充実感とか達成感というのを、一緒に私も楽しんでいきたいなと思います。
城田
ありがとうございます。
では最後に、これからコーチングを勉強したい、という人っていますよね。
齋藤
私も勉強したい!
城田
そうですよね。学習はずっと続いているものね。
齋藤
うん、続いている。
城田
今はまだ何もコーチングについて学習を始めていない人で、瑞穂さんのこのインタビュー記事を読んで、あ、面白そうだなって思っている人も
きっといるでしょうから、その人たちにメッセージをお願いします。
齋藤
これも先ほどのコーチと一緒なんですけど、今、日本ではコーチングを勉強する機関が、たくさんあるので、まずはどの機関でもお試しっていうものがあるので、まずは体験してみてください。
本当に自分に合ったところ、自分の用途とか、目的によって、選ぶことが大切かなって思うんですね。やっぱりコーチ21ならコーチ21のよさがあるし、PHPならPHPのよさがあるし、CTIにはCTIのよさがあるので、それぞれで、同じコーチングということを扱っているけれど、教え方も違うし、またそこに集まってくる人のマインドも違うので。
コーチングのスキルを学ぶだけじゃなくて、そこで出会う、仲間ってすごく重要な要素になってくると思うので、そんなことも加味しながら、勉強する機関を選んでもらいたいなぁって思います。
城田
あ~これもまた、すっごく現実的なアドバイスで、いいですね。
きっとみんなこういうことを聞きたいと思うんですよね。
齋藤
できればPHPのコーチングで!
私も再受講していますので、そこで出会ったり、最初の学びをともにできたらいいなって思います。
城田
それはいいですね。
学びをともにするって楽しいことですよね、本当に。
今日はお忙しい中、本当にどうもありがとうございました。